2011年05月16日
【悲しみの再会】(4)~変化、前進
相変わらずのひとりごと、続きです。
スルーして下さい。
スルーして下さい。
ポメラニアンのぼにたんが、譲渡先から出戻ったあと、
信頼のおける預かり先が見つかり、居つき、
そのまま無事に家族として迎えられた事によって、
日々小さくなってはいたものの、
“消えないしこり”はずっと心の隅っこに残り、
すっかり根付いてしまっている状態でした。
そんな中、何の因果か、
壮絶な死に立ち会うことがありました・・・。
飼い主さんの事はあまり知りません。
ただ、その小さなチワワの女の子は
てんかん様発作を起こし、けいれんが続いている状態でした。
チワワ、女の子、てんかん・・・
いくつかある私の“弱点”キーワードです。
以前から頻繁に発作を起こしていたというそのチワワちゃんは、
私の目から見て、重積発作を起こしているようにしか見えませんでした。
もちろん意識はありません。
小さな体を力一杯硬直させながら、無意識下で戦っていました・・・。
5歳前後のまだ若いチワワちゃん・・・
飼い主さんは、そのチワワちゃんより後に生まれたであろう
小さなお子さん連れでした。
そして、驚くほどにやせ細った身体は
子育てと並行して管理が行き届いていたようには
到底見えないレベル・・・。
悲しいかな事実として、
子供が生まれてから先住であった犬の扱いが
悪い方に変化する事例は“めったにない話”ではありませんし、
私にとっては、“あの”出戻り以来、
出産前後のご家庭の犬の扱いや生活について、
今まで以上に
“余計な心配”を含めた興味を注いでしまうようになった事は・・・
正直否めません。
もちろん、子供を優先するのは当然です。
抜ける所は適度に手を抜くのも大切です。
しかし、
削ってはいけない必要経費や
怠ってはいけない健康管理、
無くしてはいけない気配り・目配りがあると思います。
結局、そのチワワちゃんは手当ての甲斐なく
発作と戦いながらそのまま数時間後に亡くなってしまいました・・・。
“時 既に遅し”・・・。
その飼い主さんの何を知っているわけでもありません。
しかし、
しかし・・・
子供が生まれる前、仔犬で買われてきたであろう彼女は
きっと飼い主さんに笑顔を与え、
それはそれは可愛がられた事でしょう。
それすらなかったのであればあまりに悲しすぎるし、
かと言って、その“良い時代”を彼女が経験しているのであれば
それはさらに悲しい事で・・・。
あの、到底「家庭犬」には見えない程にアバラの浮いた体を、
異常だと感じていなかったのだろうか・・・
だとすれば、子育てで両手の塞がったお母さんに、
あの仔が最後に抱きしめて貰ったのはいつなんだろう・・・。
持病でてんかんを持っているのはしょうがないと思います。
でも、発作が頻繁になれば、
普通は検査や、抗てんかん薬の服用を勧められます。
1度の発作が次の発作のきっかけとなり、
その発作がまた発作を呼んでしまう“重積”が
てんかんを持つ犬の飼い主にとって、
何よりも恐れるべき事であり、
生涯、発作は1度でも少ないほうが良いに決まっているから。
しかし、その飼い主さんは服薬を選択しなかった・・・。
私の最愛の長女犬も、
私の不適切な管理のせいで重積を起こし
その時は幸い乗り越えてくれ、その後
発作もコントロールでき、上手く付き合えるようになりましたが、
事実、最終的に“長寿”とはいきませんでした。
私を含め、起こってから、亡くしてから気付く・・・では遅いのです・・・。
何故、繰り返し起こる発作を黙許してしまったのか・・・。
症状の本質を理解していれば、その気があれば・・・
こうなる前に手立てはあったはずなのに・・・。
そのあまりに悲しすぎる命の終わりに、
せめて、私が改めて教わった事・・・。
「手放す愛情もあるのかも知れない・・・」。
こんな、救いようのない事になるくらいなら、
いっそ正直にギブアップして、
自分には無理だと白旗を揚げ、助けを求めて欲しい・・・。
何があっても飼い続けるというのは
大切で、当然の決意であり、
それなしに飼い始めるなんてありえない事。
飼った以上は最大限、
飼い続けられるように工夫すべきなのは言うまでもありません。
しかし、それは愛情抜きに語れない事・・・。
本来なら、“離れて暮らすなんて考えられない”という発想になるべき所なのでしょうが・・・。
自分の愛情がなくなってしまった事、
元からなかった事に気付かないから、
こういう悲劇が起こるのでしょうか・・・。
今までは、飼い主側の事情で手放される募集犬などを見ると
どうしてもあまりいい感情は持てませんでしたが、
飼えない事を「認め」て、新しいまともな飼い主を探す事は
こんな事態になる事を思えば、
決して 悪と言い切れるものではないのですね・・・。
そう思うと、私個人も身につまされるものを感じますし、
やはり根っからの愛護精神がない私では、気付きが遅い・・・。
ようやく今、言える気がします。
ぼにたんの飼育権が放棄されたのは“裏切り”と一括りにできるものではない。
隠そうと思えば隠せた話。
愛情や命に対して責任を感じない人なら
目障りにならぬよう閉じこめて、
ネグレクトも不可能ではなかった・・・。
虐待が悪化し、その状況が放置されれば、
それこそ人間不信に陥って、取り返しの付かない事になっていたかも知れない。
真面目なあなただから起こってしまった悲劇かも知れない。
でも、真面目なあなただから、最悪のケースは免れたのだとも思います。
Mちゃん、自分には“飼えない”と、
真実を告白してくれてありがとう。
あなたがあなたなりに責任を果たしたという事を
今なら心から受け入れられる気がします。
ぼにたんは今日も元気にクルクル走り回って、
家族に愛され、みんなに笑顔を振りまいています。
だからもう、それだけでいい気がしてきたのです。
* * * * *
これは昨年の話です。
恥ずかしながら、ここまで辿り着くのに、1年近くかかりました。
批判やご指摘、お叱りの声も多々あるかとは思います。
元の飼い主さんを非難したいわけでも、擁護したいわけでもありません。
私という未熟な一個人の心の中身を書いたまで・・・。
ようやく、今だから、アップできる思いで
加筆しながら書き進めていたらとんでもなく長文になってしまい、
何部かに分けて上げる事になってしまいました。
これからも色んな壁にぶつかるのだろうと思うと空恐ろしいばかりですが、
ただただ、こうして犬達がくれるものをこぼさないように、
心に留めて、少しずつ前進したいと思っています。
強く、まっすぐ、折れないオバチャンになりたい。
振り返った時、
あ~ こんなこと あったあった。
誰でも一度はつまづくのよ!と豪快に笑える日が来るように。
追伸、巻き込まれている犬達、人々には本当に申し訳ないばかりです・・・。
拍手コメント、メールを下さった皆さまに感謝を込めて・・・。
chiwawan_mama at 15:44│★ひ と り ご と 。