【悲しみの再会】(1) ~告白、戸惑い、迷い。【悲しみの再会】(3)~救い、好転

2011年05月12日

【悲しみの再会】(2) ~帰宅、停滞、決意

やはりかなり長文になってしまったつぶやきです。
この時の続き・・・ですが、引き続きスルー推奨です)




初めて赤ちゃんとも対面し、久々に会ったぼにたんは
“いつも通りの笑顔”でした。

変わってしまったのは、受け手側の人間の気持ち。
“いつもの笑顔”が逆に、とても悲しかった事を覚えています。


奥様は、自分でも自分がこんな風になるとは思わなかった
とおっしゃっていました。
私にだって、想像できません。

しかし、抱いていないと泣き続ける赤ちゃんを必死であやす中、
犬たちの排便排尿があれば片付けなければならず、
片付けを終えればしっかり手洗いをして、
また、泣き続けている赤ちゃんの元へ・・・。

それは1日の中で幾度と無く繰り返されるのでしょう。

犬は犬。
動物ですから、
過度な接触は安全ではありません。

特に小さいお子さんや免疫力が低い人は
衛生上気を配るべきで、
赤ちゃんと区別して扱う事は理解できるし、
また、必要だとも思います。

しかしもちろん、そんな事は
犬たち本人には関係ありませんし、
わかるはずもなく、
ぼにたんも当然、
今まで通り飼い主さんにまとわりつきます。

そんな時、苛々が募って、
手が出てしまう事があるのだそうです・・・。

しあわせにすると約束して引き取ったのに・・・
とおっしゃる飼い主さん。


「犬と赤ちゃんとの共存が難しい」となると・・・
このご家庭にいる「犬」は、
ぼにたんだけではありません。

正直、“そこまでは私は責任が持てない”と思いつつも
先住犬(同じポメラニアン)がどうなるかも心配で
聞かない訳にもいかず、
半ば恐る恐る、
その仔を今後どうされるのかとうかがった所、
“先住犬はこのまま飼い続ける”との事。

聞きたかったような、
聞きたくなかったようなその答え。

「小さい頃から、以前から飼っているコの方が可愛いから」?
おそらく、そうではありません。
少なくとも、“それだけ”では。

理由を聞いて、
「元繁殖犬と家庭犬の差」が
運命の分かれ道になっている事がわかり、
何とも言えない悲しさに襲われ・・・
ざわついていた胸の中に、
諦めとも納得ともつかない感情が芽生えました。

前述のような、
“飼い主さんの機嫌が悪そうな時”、
先住ポメは、「雰囲気を察する」のだそうです。

つまり、飼い主さんが苛々していると寄ってこないので
叩かれるような事になりえない。と言う事。

逆に言えば、
必要以上に飼い主さんを苛つかせる事がない
と言う事です。

雰囲気を察する・・・
ヒトの顔色を見る・・・
そうですね、家庭犬なら
簡単にやってのける事かも知れません・・・。

でも、そんな芸当、
“天真爛漫”に尻尾をつけたようなぼにたんには、
できるはずがないのです・・・。

まして、幼い頃からヒトとの生活とは縁遠い
繁殖場で人生の大半を過ごしたのです。
感情や表情の豊かさは、
逆の立場の家庭犬と、どうしても同じとはいきません。

でも、他の犬たち・・・生まれついての家庭犬よりは
確かに少ないかも知れないけど、それでも、
ヒトを好きだと思う気持ちや、
嬉しい・楽しい気持ちは全身に詰まっています。

急に変わってしまったお母さんを
どんな想いで見つめていた事か・・・。


ぼにたんは悪くないのにね・・・。

そんな事を思いながら、
ぼにたんが自分で舐めているのであろう前肢の、
茶色く変色した被毛を眺めていました。

手足を舐めるのはストレスのサイン・・・

これが答えなのかも知れない、と。


その後も、ぼにたんや先住ポメちゃんと触れ合いながら、
途切れ途切れ、互いに言葉少なにお話しする中、
他の選択肢についても触れてみました。

私自身、何が正解かなんてわからないのです。

育児ストレスが一時的なものだったら、今後、
何か変わるのかも知れません。

しかし、「子育てが落ち着くまで一旦預かる」?
・・・授乳期が済んだら済んだで
ハイハイや立っちと活動範囲は増える一方で
その後も子育てに終わりなんてないですよね。


「他のご家族が“ぼにたんを手放したくない”と強く思って下されば、
協力体制もまた違ったものになるのかもしれない」・・・。

ご不在だった他のご家族の意向も奥様に確認しましたが
「本人(奥様)の意向を尊重する」との事だったので、
結論とご要望は目に見えていました。


初めからお互いの気持ちは決まっていたのかもしれませんが、
ようやく、連れて帰る事になりました・・・。
飼育権放棄、という形で・・・。


愛護団体ならもっと話は早かったかもしれない、と書きましたが、
動物愛護をうたうのであれば・・・
真に動物と人間家族のしあわせを願い
啓蒙する立場のプロであれば・・・
もっと早い段階から細やかなフォローをして、
こうなる前に防げたのかも知れません・・・。

いや、しかし・・・・・・。

想いは堂々巡りで、やはり正解がどこにあるのかは
最後の契約を交わした後も、わかりませんでした。



譲渡の際にお渡ししていたレントゲン写真等をご返却頂き、
狂犬病の鑑札を譲って頂き、
ワクチン証明書も頂こうと思ったのですが・・・
契約事項であったにも関わらず、
ぼにたんは予定日から半年を過ぎても
ワクチンを受けていませんでした。

フィラリアに関しては予防して頂いていたようですが・・・
譲渡後も継続して頂けるとうかがって安心していた
関節保護のサプリメントに関しては、
もう聞くのが怖くて、
今日までどうなっていたのか、確認できませんでした・・・。

私に言えたのは、たったひとこと。
「二度と犬は飼わないで・・・せめて子供さんの手が離れるまでは・・・。」
その約束だけでした。


怒りより悲しみ、そして
ぼにたんに対する哀れみのような複雑な想いで、
「最近はこれがないとトイレを失敗するから」とぼにたんのベッドと
替えのクッションを譲り受け、
何の疑問も抱いていないかのようなぼにたんを助手席に乗せ、
元飼い主さんの家を後にしました。


我が家に戻ってきたぼにたんは、
予想通りというか何というか・・・

違和感なく、いつも通りに見えます。

しかし、運転中も、その後も・・・
ずっと正解が見出せないまま・・・


元気にしているだろうかと心配になっても
向こうから聞く事はできないでしょう。
いつか記事で会えるかも知れないと
ブログを見ておられるかも知れません。

たった一言、
ぼにたんは元気にしていますよ、
引き取った今も環境にも馴染んでいるし、
大丈夫ですよ、
そう報告してあげればいいのに
私にはそれっぽっちの優しさも持てませんでした。
ぼにたんを手放す事で、
少なからず飼い主さんも傷付いているのがわかっていながら・・・。

久しぶりに手元でトリミングするぼにたんの
いつから切っていないのかわからない長い爪や、
夏を迎えるには多すぎる下毛を
ブラシで丹念に取りながら、
どうしても裏切られた気分を拭い去る事ができなかった・・・。

何が正解だとかどこで間違ったんだとか、
もう何も考えたくない。
関わる事で、再び悲しい思いがよぎるのを避けたい。

これが正直な気持ちで、
犬が繋いでくれたはずの「人と人との絆」に
正面から向き合う事を拒否していたのです。

普通なら、これしきのことで
こんな風に折れたりしないのかもしれません。
本当に、自分でも弱い人間だとつくづく実感させられます。

そのまま今日まで、結局直接の連絡を取る事もなく、
記事のアップが先になってしまいました。


この事で、「若い夫婦(ひと)はダメだ」等と思いたくありません。
ただ、今までより楽観的な選考は、・・・やはりできませんし、
正直、この経験が足かせになっていない とは言えません。

それも、犬のしあわせの為云々という美しい理由ではなく
自己満足活動の私の場合、
“自分が傷付きたくないから”
のような気がしてなりません。

これでは、いつまで経っても
“愛犬家”を名乗る事はできませんね。。。


大事な仔・動物の命を託すと言う事は、
ヒトを信じると言う事。

犬を通じて、
元来世界の狭い預かり人には
繋がりなど持ちようもなかった人たちとの輪が広がります。

これはきっと、疑り深い預かり人に、
もう一度 人を信じる事をやってみなさいという教え、
試練なのかもしれません。
(何だかこんな風に書くと宗教じみても見えますが…。)


全部自分が責任を取ろうとするのが間違っているのかな?
可愛がってね、あとはどうであろうと
真家族のあなたに全部お任せ!って
思えればいいんだろうな・・・。

人には人のやり方がある、
人それぞれの愛情のかけ方がある、
そうは思っていても、
色んな犬に触れ、色んな人と出会う度、
「最低限これだけは守ってほしい」・・・
その想いが、どんどん増え、
きっと欲張りになってしまっているのです。

もっと私が人を信じる事ができれば・・・
もっと私が、自分に自信を持っていれば・・・
ウィンちゃんも、もっと早く安住の地に辿り着いているのでしょう・・・。

ウィンちゃんを引き取ろうと思えば引き取れる状況で
私自らが真の家族として名乗りを上げないのは、
もちろん“もっと条件の良い家庭がみつかるはずで、
私では理想からほど遠い”ということもありますが、
こんな風に、譲渡犬が出戻るかも知れないということを
身を持って体験すると、「いつか」を想定せざるを得ず、
しかも再譲渡できる健康状態・年齢でなかった時をも想定すると、
我が家にその最後の“席”をあけておかないといけない
と強く感じたからです。

ウィンちゃんなら、私でなくても大丈夫。
むしろ、私では駄目なんだ。
私は「私でなければ駄目」な仔の為に、
この手を空けておかなければ・・・。

そして、基本的に遠方は要相談として近県で募集していくのも、
現在の募集犬・ウィンクの体力はもちろんの事ながら、
引き取る事を頭の片隅に置いた時、「私がしんどいから」。

自分勝手で、なんと情けない話かと思われる方も多いでしょう。
でももう、そこは開き直る以外私にはできません。
元々、私が自己満足で始めた活動で、
“できる範囲で、できることを”と始めた活動なのです。

無理をして、身の丈以上の事をしようとすれば
ヒヨッコの私は簡単に潰れてしまうでしょう。

それら諸々が絡み合って、今の形になっています。


ウィンちゃんごめんね・・・
私が潰れる訳にはいかない。
もう少し、今のこのままのペースで歩かせてね。


元々壁を乗り越える強さなど持ち合わせていない
弱い人間です。

感情を吐露しないと、やりきれない事もあります。
誰が読む訳でもない と思いながら、
こうして吐き出す場があることに救いを感じます。

犬と、それに関わる人たちにいろんなことを教わりながら、
少しずつでも愛犬家に近付ける様に
成長していきたい。

そんな想いもあり、自分の記録として公開を決めました。

全ての事から学び、得よう。
そして、もうちょっと強くならなければ。



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chiwawan_mama at 22:00│ ★ひ と り ご と 。 
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